ページの上部へ

2025年1月17日(金)新規開院

インスタグラム

WEB予約はこちら

お電話でのご予約・ご相談はこちら

0268-75-7321

休診日木曜日・日曜日・祝日

疾患からさがす

  1. ホーム
  2. 疾患からさがす

乳腺症とは

乳腺症は、臨床的には乳房のしこりや痛み、乳頭からの分泌など様々な層状を呈します。また無症状の方で乳腺エコー(超音波検査)ではじめて指摘されることもあります。ほとんどが乳がんとは関係ありません。女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)不均衡や、特にエストロゲンの過剰状態が原因とされています。症状の多くは自然に軽快しますので、経過観察が第一選択となります。しかし、本当に乳腺症によるものかについては、各画像検査、針生検などの組織学的検査が必要になる場合もありますので、気になる場合には、まずは当院にご相談ください。

主な症状

  • 乳房や周辺が痛む
  • しこりができる
  • 乳頭から分泌液が出る

原因

40〜50代にかけて、ホルモンバランスが崩れやすくなり、閉経を迎えますが、この時期に乳腺症の症状がみられるケースが多くみられます。乳腺症と診断されても、初期の乳がんとの鑑別が困難となる場合が多く、必要に応じて生検検査を行います。また、乳がんの可能性が低くても、定期的な経過観察を行い、変化がみられてきた時点で生検を追加します。

治療方法

多くの場合は経過観察で症状は軽減します。しかし、ストレスやカフェイン、ニコチンが乳房痛の原因ともされており、生活習慣の改善、カフェインの摂取制限や禁煙で症状緩和することもあります。また、一時的に鎮痛剤で経過観察を行うこともあります。

乳腺線維腺腫とは

乳腺線維腺腫は、間質結合織成分と、上皮性成分の共同増殖による良性腫瘍です。上皮性や間質結合織性の混合腫瘍であり、20~30歳代の女性によく見られます。自覚症状のほか、乳腺エコー(超音波検査)で見つかることが多い疾患です。線維腺腫自体は悪性化することはなく、基本的には経過観察でよいとされています。しかし稀に急速に増大するものや、葉状腫瘍との判断が難しい場合があり必要に応じて生検検査を行い、線維腺腫と診断された後も定期的な経過観察が推奨されます。

主な症状

  • 1~3㎝くらいの平たいしこりが乳房にできます。触るとコロコロと動き、境界線がはっきりしているのが特徴です。乳腺症とは違い、痛みは伴いません。

原因

若い女性に多く見られ、閉経の時期まで増大する可能性があるため、女性ホルモンの影響が考えられています。

治療方法

生検で線維腺腫と診断できた場合には、基本的には経過観察となります。しかし、前述の通り、急激な変化や葉状腫瘍との鑑別が困難な場合があるため、3cm以上の大きさを認めた場合には治療を兼ねた摘出生検を行うことがあります。

葉状腫瘍とは

全乳房腫瘍の1%未満とされます。30〜50歳代に多くみられます。葉状という名前は、葉のような構造をとって、腫瘍細胞が増殖することに由来しております。また、乳がんの腫瘍(上皮系)とは異なり、肉腫系(間質系)の腫瘍に分類されています。鑑別が困難とされますが、急速な増大や、3cmを超えるような場合には葉状腫瘍を疑います。

主な症状

  • しこりができる

治療方法

手術による切除が原則です。リンパ節転移はまれであるため、リンパ節郭清は通常行われます。できるだけマージン(≧1cm)をつけて切除することが望まれます。腫瘍が非常に大きい場合には、全乳房切除を行わざるをえない場合もあります。

乳腺炎とは

乳腺症は、乳房の痛みやしこりを感じたり、乳頭分泌などの様々な症状を認めるものの、悪性の所見が認められないと判断された場合に診断されます。乳腺炎には産褥期に起こりやすい「うっ滞性乳腺炎」、細菌感染による「化膿性乳腺炎」、出産・授乳後数年経過してから発症することが多い「肉芽腫性乳腺炎」があります。また、乳輪下に膿瘍形成をきたす「乳輪下膿瘍」も炎症症状をきたします。

主な症状

  • 乳房や胸の周辺が痛む
  • 乳房が張る
  • 乳房の熱感、赤み、しこり
  • 発熱、頭痛、寒気、関節痛
  • 黄色っぽい母乳が出る

など乳房に起こる疾患ですが、細菌感染によるものだと発熱や寒気など、風邪と似た症状が起こることもあります。授乳期以外にこうした症状がある場合、炎症性乳がんも疑われますので要注意です。

原因

乳腺に母乳が溜まると、炎症が起こって急性うっ帯性乳腺炎になります。炎症に加えて細菌感染を起こすと、急性化膿性乳腺炎が引き起こされます。

うっ滞性乳腺炎

「うっ滞性乳腺炎」は、乳汁の乳管内通過不良や、授乳の不慣れなどが原因で、初産婦の産褥期に発症することが多く見られます。

化膿性乳腺炎

「化膿性乳腺炎」は、うっ滞性乳腺炎を素地として、逆行性に細菌感染を来したものがほとんどですが、授乳とは関係なく乳頭部の傷から細菌が逆行性侵入して発症するケースもあります。

乳輪下膿瘍

「乳輪下膿瘍」は、主乳管の閉塞を繰り返して、そこに最近の逆行性細菌感染が起こり、膿瘍形成、そして瘻孔形成を来していきます。喫煙、肥満、糖尿病、陥没乳頭がリスク因子とされています。

肉芽腫性乳腺炎

「肉芽腫性乳腺炎」は、多核巨細胞を含む炎症性細胞の浸潤を特徴とする良性・炎症疾患です。

治療方法

うっ滞性乳腺炎

「うっ滞性乳腺炎」は、乳房マッサージ、搾乳で乳汁分老津促進を図ることが第一となります。消炎鎮痛剤や感染予防目的に抗菌薬を投与する事があります。
当院は経験豊富な助産師が在籍しており、産褥期,授乳期の乳腺炎等のトラブルにも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

化膿性乳腺炎

「化膿性乳腺炎」は、膿瘍形成をしていない時期は、消炎鎮痛薬や抗菌薬による保存的治療を行います。膿瘍形成時は、内科的治療に加え、膿瘍のドレナージといった外科的処置も行います。

乳輪下膿瘍

「乳輪下膿瘍」も、まずは消炎鎮痛薬や抗菌薬による保存的治療を行いますが、治療抵抗性の場合には、切開排膿処置を行います。

肉芽腫性乳腺炎

「肉芽腫性乳腺炎」は、治療に関しては一定の見解は得られていません。消炎鎮痛薬、ステロイドを用いた内科的治療を行いますが、治療期間は数週間〜数年に渡ることがあります。また、症状が改善した後も、再燃を繰り返すことも多いため、長期の経過観察が必要となります。

乳腺のう胞とは

乳腺組織の一部に分泌液が溜まって袋状になったものをいいます。過度に大きくなった場合に圧迫された様な痛みを感じることがあります。基本的に経過観察となりますが、のう胞の内部に腫瘍が生じる場合もあるため、必要に応じて腫瘤に対して生検検査を行います。

主な症状

  • 乳房や周辺が痛む
  • 胸の圧迫感

乳管内乳頭症とは

乳管内乳頭腫は、拡張した乳管内に乳頭状構造を示す腫瘍が増殖する良性病変です。ただし、非浸潤性乳管癌を合併することがあり、慎重に経過観察をしていく必要があり、必要に応じて生検が必要になります。

主な症状

  • 乳頭の近くにしこりができる
  • 乳頭から分泌液が出る

原因

発症の原因は明らかではありません。好発年齢は30〜50歳代で、症状としては、乳頭からの異常分泌が多くみられます。超音波検査では比較的小さな病変も描出しやすいですが、画像上描出可能であっても、乳頭腫と非浸潤性乳管癌との鑑別は、どの画像機器を用いても容易でないことがほとんどです。

治療方法

基本的にマンモグラフィ検査と超音波検査、生検(分泌細胞診や針生検)で精密検査を進めていきます。造影MRI検査が必要な場合もありますが、その際は専門の医療施設へご紹介をいたします。
乳管内乳頭腫の診断となった場合には基本的には治療は不要となりますが、前述の通り、一部にがん細胞が混在していることもあるため、慎重な定期的な経過観察が推奨されます。